癒えない傷



あたしは啓に深い傷を負わせられた。

その当時
「もう立ち直れない」
そんなことばかり思っていた。

そんな時励ましてくれたのは


裕菜…


裕菜の笑顔が
あたしを安心させてくれた。

その後 祐が現れた。


あたしの中に土足で入ってきた祐。


心の中の啓のいた場所はぽっかりと空いていて
そこに祐が入ってきた。



でも祐は啓のように
消えていってしまう。


やっぱり恋なんかしないよ。

神様…



あたしはもう
人を好きになりたくありません。


みんな…消えていったから。



一度治った筈の傷が
また 広がっていった。



ーーーーーーーー



「あ!千尋だ!おはよー!」


え?新田さん?


なぜか新田さんは妙になれなれしい。


「あ おはよ;」


新田さんはどちらかといえばあたしを無視してた。

凄く妙なことだった。



今日は新田さんがまとわりついて来て
正直ちょっとうざく感じてしまった。


「千尋!今日さ放課後残ってくれる?渡したいものあるんだ♪」


新田さんは休み時間にあたしにそう言い去っていった。


なんなんだろう…



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