初恋フォルティッシモ

っ…はぁ!?

何だアレ!!


そんな衝撃的なシーンをいきなり目の前で目撃して、俺は思わず目を見開く。

まさか青田が、麻妃先輩にこんなことをするヤツだとは思わなくて。


触んじゃねーよ、と心の中で叫んでも、それは届かない。

しかも、麻妃先輩も麻妃先輩で、ビックリしているのか、青田の腕の中で固まってしまって…。


それどころか…俺がウカウカしている間にも、青田が麻妃先輩を抱きしめたまま口を開いた。



「先輩。俺、本当はずっと…」

「…?」

「出会った時から、ずっと先輩のことが…」



「!!」



…マズイ!


俺はその瞬間青田が何を言おうとしているのかがわかって、思わず「邪魔してやる」とすぐに周りを見渡す。

青田に告白なんてさせるわけにいかない。


何か…何か邪魔出来そうなものは…


そう思いながら辺りを見渡すと、俺は咄嗟に発見した消火器を掴んで、



目の前の窓ガラスをぶち割った。
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