初恋フォルティッシモ

「…はっ!?」


「…実は俺も、こないだからチェックしてたんだ。バスケ部」

「そう。俺も…実は、剣道を…」



そう言って俺にその案内を見せると、「バスケ部…カッコよくね?」と俺に同意を求める。

いや、待てって!お前らもかよ!



「っ…ほ、本気かよお前ら!俺聞いてねぇしそんなの!

だいたい、帰宅部はどうしたんだよ!」



俺はそう言うと、まさかのそいつらの裏切りに独り声を荒げる。

…だってそうだろ。ついこの前まで、俺が「帰宅部でよくね?」って言ったら三人とも頷いてたじゃんか。

あれどうしたんだよ!


でも…



「…いや、中学ん時は散々好き勝手してたけど…でも密かにずっと気になってたんだよな、バスケ部」

「俺も。この前は雰囲気に合わせてつい“帰宅部”って言ったけど、でも俺の兄貴が剣道部やってて…カッコイイなぁって」



そいつらはそう言うと、「っつうわけで、俺達も今日の放課後は仮入部に行くから」と二人して席を立った。

するとその時に、そいつらが俺に言う。



「三島も、部活入ればいいじゃん。中学もそうだったけど、高校も三年間だけだぞ」

「!」
< 12 / 278 >

この作品をシェア

pagetop