初恋フォルティッシモ
そう言って俺が頷くと、ユリナはその瞬間勢いよく俺に抱きついてきて、言った。
「っ、きゃー!勇佑大好き!一生大好き!愛してる!」
「!」
「そっか。勇佑はユリナに何でもプレゼントしたくてたまらないんだねっ。誤解してごめん、」
「え!?いや、そういうわけじゃっ…!」
「わかった!だったらユリナもそれに応えてあげる。うん!」
ユリナはそう言うと、その言葉に俺が慌てていることに構わずに、俺から体を離して早速どこかへと向かって行く。
…ああ。言ってしまった。
っつか、プレゼントしてあげたい気持ちは多少はあるけれど、それは「プレゼントしたくてたまらない」っていうのとは違うんだよ、ユリナちゃん。
だけど先を行くユリナにようやく追い付いた時、ユリナが俺を見上げて可愛らしく笑うから、俺はそれ以上何も言えなくなった。
「…っ」
…麻妃先輩と顔が似てるユリナは、本当にずるい。
一瞬、その笑顔が麻妃先輩と重なって見えてしまった…。
このコは、麻妃先輩とは全くの別人なのに。
っつか、よくよく考えてみたら、俺って最低だよな。
…もう逢えないとはいえ、他に好きな人がちゃんといるのに。