初恋フォルティッシモ
……………
「ありがと勇佑!」
「ん、」
「一生大事にするねっ」
その後。
歩いて数分くらいの場所に位置するデパートに入った俺は、ユリナに連れられて目的のジュエリーショップに入った。
そこはユリナと付き合った当初からたまに来ていた場所で、ユリナはもちろん俺までももう店員には顔を覚えられている。
そしてそのユリナが欲しがっていた商品は前に取り置きしてもらっていたらしく、購入はわりとすぐに終わった。
…そう。購入は。
「ね、どう?勇佑。新しい指輪。ユリナに似合う?」
「…うん。似合うよ」
「もーっ、気持ちこもってないーっ」
ただ、値段は俺の予想を数万くらい越えていたけど。
俺の1ヶ月分の給料の値段。
だから財布の中身を黙って見つめる俺の隣で、一方のユリナは嬉しそうにしている。
…まぁ、ユリナが喜んでくれてるならそれでいいけどさ。
何だかんだで、俺がプレゼントしたものはずっと大切に使ってくれるカワイイ奴だし。
…ってか、指輪。
左手の薬指に嵌めんのか。
……まぁいいけど。
「次、どこ行く?」