初恋フォルティッシモ
そう言って、「さー、飯だ飯」と先に教室を後にしていく二人。
そしてそんな二人に、俺は教室のど真ん中で独り唖然と立ち尽くしていて…
……裏切り者が、一気に増えた。
っつうかあの三人が、俺の知らない間にそんなことを考えていたとは…。
…部活なんて。怠いだけなのに。
どーせそのうち「やっぱやめた」とか言って、すぐ元に戻んだろ。
俺はそう思うと、ため息交じりにやがて教室を後にする。
「はぁー…」
そして、やるせない気分のまま、食堂に繋がる廊下を歩く。
…憧れ、か。
アイツらはああ言ってたけど、中学ん時にあんだけ荒れといて、高校になって今更きっちり出来るんだろうか。
悪いけど、俺はそんな真面目な高校生活なんてごめんだ。
単位とかいちいち興味ないしやっていられない。
俺はそんな思いのまま、二階へ繋がる階段を下りる。
…────すると、その時。
「…?」