初恋フォルティッシモ
…麻妃先輩はどんな反応をするだろうか。
そう思いながら麻妃先輩の言葉を待っていると、麻妃先輩は細い目を見開いて言った。
「…え…えぇ!?うそ!」
「や、嘘とかじゃないっす」
「ほんとに!?」
「ハイ」
「えぇーっ。びっくり!」
「…、」
…それ、何の「えぇー」?
まさか………ショック受けてる、とか?
そう思って、チラ、と麻妃先輩に目を遣ると、麻妃先輩は意外にも嬉しそうな顔をしていた。
「…!」
…口角が、心なしか上がってる。…気がする。
ヤバい。期待しそう。っつかもうしてる気もする。
そう思いながら思わず俺が麻妃先輩を見つめていると、やがて麻妃先輩が言った。
「…懐かしいなぁ」
「…?」
「また、三島くんといられるんだね」
「!」
……麻妃先輩はもう、“あの時のこと”を何とも思っていないんだろうか。
俺達はしばらく雑談をしたあと、やがて時間が近づいてきて一緒にカフェをあとにした。