初恋フォルティッシモ
そもそもあたしが三島くんに恋心を抱き始めたのは、プリクラでいきなりキスをされてからだった。
それまではあたしは三島くんのことをただの後輩…いや、ちょっと…ほんのちょっとくらいは気になっていたけど、
あの時…サックスを吹いていた4人で撮りに行ったプリクラで、まさかのキスをされて一気に心を奪われた。
何で…三島くんはあたしにキスしたんだろう。
おかげで華木先輩にそのプリクラを目撃されるし、変な噂は広まるしで散々だった…。
それでも、あたしは日に日に三島くんに惹かれていった。
ちょっと困る行動をすることもあるけれど、だけどあたしは三島くんのことが誰よりも好きだった。
強引なとこ。
思ったらすぐに行動しちゃうとこ。
ヤンキーに見えて、でも実は優しいとこ。
だけどあたしには直接関わる後輩が二人いるし、青田くんのことも平等に見てあげなきゃいけない。
そう思って青田くんからのデートの誘いとかをOKしていたら、結局三島くんに勘違いさせて怒らせちゃったこともあった…。
何で、あたしは言えなかったんだろう。
好きって言えていたら、もしかしたら今頃は…。
そう悔やんだって仕方ないのに、気がつけばいつもそうやって悔やんでしまう。
だから、あるきっかけで渡辺部長とこんな関係を持ってしまって、それもいけないことだってわかってるのに、寂しいからどうしてもやめられない。
…でも、やめられないって思っていた時。
運命は、突然やってきた。