初恋フォルティッシモ

…………


電車を乗って、ほんの数分くらい。

見慣れない居酒屋に到着すると、俺は先輩に連絡をした。

広い居酒屋だから、どこにいるかわからなくて探すと、

先輩達を含む皆は意外と入り口の近くにいた。



「おつかれっす」

「おー三島、遅かったじゃんか」

「おつかれー」



そこにいたのは、会社の先輩たち5人くらい。

個室のその中は酒の匂いで充満していて、なんかもうその匂いだけで酔いそう。

…酔いそうなのに。



「っつか三島、寝てた?」

「いや、寝てないっすよ」

「ここ座れって三島」

「ばか、そこは渡辺部長のとこだろー」

「…!?」



なんとなく、その会話を聞いていたら、突如トンデモナイ名前が耳に飛び込んできた。


…渡辺…部長…?



「あ、三島、部長いるからっていきなり緊張してんだろー」

「大丈夫。ほら、渡辺部長は気さくで親しみやすいしさー、」



な…なんで、渡辺部長が?

っつか…今は、その姿は見えませんが…?


しかし、その時…
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