初恋フォルティッシモ

「あ、三島くん」

「!!」



背後から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

…この声は…



「意外と早かったな?ここ家から近いの?」



振り向くと、渡辺部長が個室の入り口に立っていた。



「…わたなべ、部長…」

「ん?」



そいつは俺にとって憎い奴。

トイレにでも行って席を外していたんだろうか。

っつか、マジでここにいるとは…


俺が何も言えないでいると、渡辺部長は俺に隣に来るよう促した。

そして黙って座ると、その姿を見ながら先輩が言う。



「確か、渡辺部長が三島を呼ぶように言ったんですよね」

「!?」

「ああ、気になっていた新人だからね」

「部長優しー」
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