初恋フォルティッシモ
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そのことをきっかけに、俺はすぐ「吹奏楽部に入部する」と決めた。
あれから俺は他の楽器もいまいちよく出来なかったし、結局褒められることもあまりなかったのだ。
だから俺はその後本当に吹奏楽部に入部して、やりたい楽器の希望を聞かれても、ずっと「トランペット」の一点張り。
第2希望や第3希望も聞かれたけど、相変わらず他の楽器には全く興味がなかった。
…───しかし。
「…は…サクソフォン?」
「そう。サクソフォン=サックスっていうの。三島くんは、サックスをお願いね」
「!?」
…楽器の希望を聞かれた、数日後。
これから担当する楽器がやっと決まったらしく、大人しく聞いてみれば…
先生は、俺にトランペットじゃなくて「サックス」と言った。
「…サックスて何」
「あれ。教わらなかった?木管楽器の、」
「いや知ってるよ。俺トランペットじゃねぇの!?」
…しかし俺が半ば興奮気味にそう言うと、先生が言う。
「……三島くんは、確かにトランペットも上手かったけど…あたしはサックスが一番向いてると思うな」
「っ、何で!」