初恋フォルティッシモ
そう言って、俺に背中までもを向けてしまう。
「……」
そこで青田の名前を出すのかよ。
俺はそのことに少しだけイラッとしながらも、思わず口答えしそうになるのを必死で堪える。
……高校に上がって俺も大人になったかな。
そう思いながら、俺はペンを回しながら麻妃先輩に言った。
「っつか、何の記号教えてくれんっすか?麻妃センパーイ」
「!」
「それとも、華木先輩いなくなったからもう…」
勉強なんかやめますか。
俺がそう言おうとしたら、麻妃先輩がそれを遮るように言った。
「だ、だーめだよ!ちゃんとやるのっ」
「えぇー」
「華木先輩に迷惑かけないように、今のこの時間で全部覚えるんだよ!」
「はぁ!?」
麻妃先輩はそう言うと、チョークを手にして黒板に色んな記号を書きはじめる。