初恋フォルティッシモ
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翌日。
昼休みに、俺は仲間と一緒に数人で屋上にいた。
入学したての頃に、何故か「部活に入りたい!」と突然裏切られたあの仲間達だ。
寝転がりながら漫画を借りて読む俺に、そいつらが言った。
「それ面白ぇだろ?」
「…ああ」
「バスケの先輩が、絶対面白いから読めって」
「部活入ってマジ正解だったよなー」
「……」
そいつらはそう言うと、昼飯にコンビニで買ったパンを頬張る。
……そりゃ良かったな。
俺はそいつらの言葉にそう思いつつも、何も言わずに漫画を読む。
…でも、実は全然集中できていない。
さっきから、漫画を見ながら頭の中で思い浮かべるのは、自然と……あの麻妃、先輩のこと。
何故か昨日からずっと、そいつのことが頭から離れないんだ。
「……はぁ」
そして、ふいにその時自然とため息が出た俺に、仲間が言った。
「どうしたんだよ、ため息とかお前らしくないな」
「…いや、」
「漫画面白ぇだろ?」
その言葉に、俺はまた「…ん」と返事をする。
で、まともに読んでないのにページをめくって。
……ああ、今日の部活どうすっかな。
そんなことを考えていたら…