初恋フォルティッシモ

「…?」



ふいにその時、屋上の出入り口でドアが開く音がした。

どうやら誰かがここに上ってきたらしく、仲間はみんな散らかったゴミを即座に片付けだし、

俺は俺で静かに漫画に目を遣ったまま、耳だけを出入り口に傾ける。


…誰だ?

せっかく4人だけで、すげぇ居心地良かったのに。


そんなことを思っていたら、小さな足音が遠慮なく俺の方に近づいてきて…突如上から声がした。



「三島くん」

「…!?」



…はぁ!?


その思わぬ人物の声に、俺はやっと漫画からそいつに目を向ける。

バクン、と……何でか知らないけど、心臓が大きな音を立てる。

そこに立っていたのは…



「…あ、麻妃…先輩、…なんで、」



そう。麻妃先輩だった。


俺の仲間達が、突然の麻妃先輩の登場に全員?でいるなか、麻妃先輩は躊躇なく俺に言った。



「三島くんに、渡したいものがあって」
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