初恋フォルティッシモ

…………


その後、ようやく部活が終わった時。

音楽室でサックスを片付けていたら、隣で華木先輩と青田の会話が聞こえてきた。



「青田くん、何時まで練習平気?」

「別に何時まででも大丈夫です、」

「じゃあ、せっかくだから出来るまでやっちゃおうかー」



…その会話に、自然と独り笑みが零れる俺。

出来る奴も大変だねー。


そう思っていたら…



「ねぇ華木ー」

「?」

「このあと買い物付き合ってくんない?夏コスメ見に行こうよー」

「!」



その時ふいに、フルートの三年生の先輩が、華木先輩にそう言った。



「え、え?あー、でもあたし今日…」

「お願い!ってか、前から行こうって約束してたじゃーん」



忘れたの?


フルートの先輩がそう言うと、華木先輩は困ったような顔を浮かべて…

だけど麻妃先輩に目をやると、言った。
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