初恋フォルティッシモ

…………


そして、その日の部活後。

俺は、華木先輩や麻妃先輩、青田と4人で近くのショッピングモールに来ていた。


その理由は…



「この4人で一緒にいられるのって、今だけだからね!思い出としてプリクラ撮りに行こうよ!」



…とか言う、華木先輩の急な誘いがあったから。

プリクラとか撮ったことないし。

華木先輩と麻妃先輩が並んで歩く後ろを、俺はそう思いながら、青田と少し離れて歩く。


…青田とは、この前麻妃先輩のことで言われてから、あまりまともに話していない。

っつうか、なんとなく青田に避けられているような…気もする。


そんなことを思いながらしばらく二人のあとをついて行ったら、そのうちふいに立ち止まって、華木先輩が言った。



「あっ、これにしよー!新しいやつ!麻妃ちゃんもう撮った?」

「いえ、あたしはまだ…」

「じゃあ撮ろうよ!あたしも何気初めてなんだっ」



華木先輩はそう言うと、慣れた様子でその機械の中に入っていく。

…なんとなく居心地が悪い。

華木先輩と麻妃先輩が、画面を見ながら二人でいろいろ選んでいる後ろで…俺と青田はどうしていいかわからないまま。

だけどふいに、「三島くんと青田くんは、どれがいいと思う?」とか華木先輩に突然話を振られて……わからないからテキトーに答えといた。


…サクッと撮って、サクッと帰りたい。

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