初恋フォルティッシモ






…それから人生で初のプリクラを撮って、落書きは先輩二人に任せた。

撮った画像には、前に華木先輩と麻妃先輩が並んでいて、その後ろに俺と青田が並んでいる。

っつか、ムダに目がでかくなってんの。

そう思いながら、麻妃先輩が落書きをしている様子を後ろからまじまじと見つめながら、俺はなんとなく思ったことを口にした。



「…先輩、」

「んー?」

「先輩って、目がでかい方が可愛いっすね」

「!」



だって、普段は目が開いてるのか開いてないのか、わからないくらい細いし。


…しかし、俺がそう言うと…。

麻妃先輩が、落書きしながら口を膨らませて言った。



「だ、黙れうるさいっ!」

「…マジでこれくらい大きくしたらいいのに」

「整形しろとでも!?じゃー三島くんが手術費だして。そしたらしたげる」

「ええー。俺はただアドバイスしてあげてんのに」



俺は麻妃先輩の言葉にそう言うと、「はぁー」とため息交じりで落書きの画面から目を背ける。

…麻妃先輩の隣には、華木先輩と青田の姿。

なんとなくその二人に目を向けていたら、そのうち麻妃先輩が言った。



「ね、三島くん見て!」

「?」
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