初恋フォルティッシモ
俺はそう伝えかけながら、麻妃先輩にバレないように、両手にぎゅっと力を入れる。
目の前には、不思議そうな顔をして振り向いている麻妃先輩の顔。
その間にも、プリクラはいくつかシャッター音を立てている。
…この音が邪魔。
「…三島くん…?」
「…~っ、」
けど俺は、「麻妃先輩のこと…」の先をなかなか言えなくて、声が詰まる。
確か、少女漫画でも似たようなシーンがあって、読んでいる時はそのシーンの告っている男の気持ちがわからなかったけど、今からよくわかる。
…俺を見る麻妃先輩が、より一層輝いて見えるから…。
そして…
「す…すっ、」
好きです!
俺がやがて勢いよくそう言いかけたら、その時それを遮るかのように、
突如他の学生数人が中に入ってきて、告白の邪魔をされた。
「ねーえー、これが良いん…あっ!」
「撮影中じゃん!」
「!」
「す、すいませーんっ!」
………マジかよ。