スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
アシスタント、始めました。
「春木さん」
「……」
「春木さん春木さんっ」
「…なに」
春木さんがうっとおしそうに私を振り返る。
ただでさえ重たい機材を運ばされているうえに地下鉄の乗り換えで四苦八苦している私を置いて、春木さんは一人でさっさと歩いていってしまう。
私も必死で後に続いた。
「今日って何の撮影なんですか?」
「だから昨日から何回も言ってんじゃん。ポスターだって」
「だからっ、何の、ポスターなんですか?」
やっと会話ができる距離まで追いついた時には、私の息は切れかけていた。
呼吸を整えながら彼の返事を待つ。
見上げた横顔は、相変わらず無表情だった。
「次クールで始まるドラマの宣伝ポスターだよ」
「ドラマ?」
「そう」
早足で歩み続ける彼に今度は遅れをとらないよう、私はてこてこと着いていく。
平日の昼間だというのに、東京の街はいつだってたくさんの人で溢れ返っている。
「俺は風景写真家だけど、こういう仕事も結構くるから。興味がある仕事は受けてる」
「へー!じゃあ今日は出演者と会えるんですね」
「まぁ、そういうこと」
「そのドラマ、誰が出るんですか?」
「……」
「春木さん春木さんっ」
「…なに」
春木さんがうっとおしそうに私を振り返る。
ただでさえ重たい機材を運ばされているうえに地下鉄の乗り換えで四苦八苦している私を置いて、春木さんは一人でさっさと歩いていってしまう。
私も必死で後に続いた。
「今日って何の撮影なんですか?」
「だから昨日から何回も言ってんじゃん。ポスターだって」
「だからっ、何の、ポスターなんですか?」
やっと会話ができる距離まで追いついた時には、私の息は切れかけていた。
呼吸を整えながら彼の返事を待つ。
見上げた横顔は、相変わらず無表情だった。
「次クールで始まるドラマの宣伝ポスターだよ」
「ドラマ?」
「そう」
早足で歩み続ける彼に今度は遅れをとらないよう、私はてこてこと着いていく。
平日の昼間だというのに、東京の街はいつだってたくさんの人で溢れ返っている。
「俺は風景写真家だけど、こういう仕事も結構くるから。興味がある仕事は受けてる」
「へー!じゃあ今日は出演者と会えるんですね」
「まぁ、そういうこと」
「そのドラマ、誰が出るんですか?」