スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
「あれ、」
用事を終えて事務所へ戻ると、ソファで春木さんが寝息をたてていた。
「寝ちゃってる……」
仕事に加え個展中止に関する各方面への対応で忙殺されていた春木さんは、よほど疲れているのか無防備に熟睡していた。
常備されている仮眠用の毛布をそっと体にかける。
何となくそのまま床に座り、ソファに顎を乗せ
春木さんの寝顔を眺めてみる。
火事の翌朝、病院で目を覚ました私はこっぴどく叱られた。
春木さんには「お前といると寿命が縮まる」と呆れられ、治療してくれたお医者さんにも火事場に飛び込むという無茶すぎる行動を非難されてしまった。
どうしてあの時あんな事が出来たのか、自分でもわからない。
春木さんの写真を守る事は
彼自身を守る事だと思った。
『いつまでも忘れられないものこそ写真に残したい』
その言葉を聞いていたから。
用事を終えて事務所へ戻ると、ソファで春木さんが寝息をたてていた。
「寝ちゃってる……」
仕事に加え個展中止に関する各方面への対応で忙殺されていた春木さんは、よほど疲れているのか無防備に熟睡していた。
常備されている仮眠用の毛布をそっと体にかける。
何となくそのまま床に座り、ソファに顎を乗せ
春木さんの寝顔を眺めてみる。
火事の翌朝、病院で目を覚ました私はこっぴどく叱られた。
春木さんには「お前といると寿命が縮まる」と呆れられ、治療してくれたお医者さんにも火事場に飛び込むという無茶すぎる行動を非難されてしまった。
どうしてあの時あんな事が出来たのか、自分でもわからない。
春木さんの写真を守る事は
彼自身を守る事だと思った。
『いつまでも忘れられないものこそ写真に残したい』
その言葉を聞いていたから。