スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
「これには載せてない写真も家にあるから。近々持ってきてやるよ」

「ありがとうございます!」


私は早速自分のパソコンでニューヨークの情報を検索した。


まずは自由の女神。
マンハッタン。ブルックリン。
ミュージアム・マイル。
古い街並みが今なお残るグラマシー……。


ここに降り立った時、自分は何を感じるのか。
春木さんがどんな写真を生み出すのか。
考えただけでワクワクした。


「……ヒナ。」


ふいに春木さんに名前を呼ばれた。


「はい」


パソコンの陰からひょこっと顔を出すと
春木さんは躊躇するように言葉を切った。


「なんですか?」

「……いや。」


すぐに逸らされた視線。
その横顔からは、何の感情も読みとれなかった。
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