スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
『今どこにいる?』
「……事務所、です」
『迎えに行く。』
一條さんにしては珍しく、乱暴な電話の切り方だった。
彼の言葉通り、しばらくしてインターフォンが鳴った。
ぐずぐずと流れ続ける涙を止められぬまま、ボタンを操作し玄関のロックを解除する。
その間もまだ一條さんと会う決心がつかずにいた。
そんな私の心情などお構いなしに、廊下をバタバタと足音が近付いてくる。
俯いたままドアを開けると、唇を噛みしめた彼が立っていた。
「ごめんなさい、私ヒドイ顔……」
手の甲で涙を拭い、笑顔をつくろうとすると
中に押し入ってきた彼は、強く私を抱きしめた。
「……事務所、です」
『迎えに行く。』
一條さんにしては珍しく、乱暴な電話の切り方だった。
彼の言葉通り、しばらくしてインターフォンが鳴った。
ぐずぐずと流れ続ける涙を止められぬまま、ボタンを操作し玄関のロックを解除する。
その間もまだ一條さんと会う決心がつかずにいた。
そんな私の心情などお構いなしに、廊下をバタバタと足音が近付いてくる。
俯いたままドアを開けると、唇を噛みしめた彼が立っていた。
「ごめんなさい、私ヒドイ顔……」
手の甲で涙を拭い、笑顔をつくろうとすると
中に押し入ってきた彼は、強く私を抱きしめた。