スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
第4章
スロー・シンクロ
それから三日間は、抜け殻のように生きていた。
日毎に強まる悲しみ。
記憶から消えてくれない春木さんとの日々。
イタズラのつもりで仕掛けられていたのだろう。
春木さんが私にカメラを向けた唯一の写真は
もう触れる事の出来ない春木さんの代わりに、確かな存在感を放っている。
握りしめて皺の寄ってしまった部分をキレイに伸ばし、家のフォトフレームに飾った。
事務所に出向かなければならない。
だけど、どうしても体が動かない。
家のベッドで布団にくるまり、泥のように眠り続けた。