スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
すぐにそれが写真だとわかった。
深く考えずに拾い上げ、裏返して息をのんだ。


「は?」


そこに写っていたのは
ヒナの横顔だった。


いわゆるスナップ写真とは違う。
明らかに隠し撮りされたものだ。

写真の中のヒナは、怯えたような表情で後ろを振り返っている。


かがみ込んだまま辺りを見渡すと、階段の隅にもう一枚写真らしきものが落ちていた。
誰かに踏まれたのか、泥で汚れて折れ曲がっている。



「なん、だよコレ……」



広げて確認すると、ヒナの部屋を外から写した写真だった。

夜に撮られたものだ。
カーテン越しに部屋の明かりが透けて見えていた。
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