スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
少なく見積もっても100枚はあるだろう。

大半がヒナの部屋の写真だったが、彼女がアパートから出てきたところや横顔のアップ、歩く背中を写したものもあった。

服装がそれぞれ違うという事は、別の日に撮られたという事だ。
何日も尾けまわされていたのかもしれない。


「やっぱストーカーかよ……」


ぐしゃっと写真を握りしめる。
怒りで体が震えた。


岳の腕の中でぐったりしているヒナを見る。


たった一人で恐怖に耐えていたのか。
俺や岳に心配をかけたくなくて、我慢するしかなかったんだろう。
そういう奴だとわかっていた。


「……何で、」


写真を床に叩きつけ、岳を睨んだ。



「何でちゃんと守ってやらねぇんだよ!!」

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