スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
耳に響いた自分の声は、想像よりずっと弱々しかった。

時間をかけて開いた両目に映ったのは、眩しいほど白い天井と


「やっと起きた。」


一條さんの笑顔だった。



「よかった。高熱出して丸二日眠ってたんだよ」



自分の置かれている状況がわからず、辺りを見回す。

いつのまにかパジャマのような服に着せ替えられていて、左腕には点滴の針が刺さっている。

事務所の前で倒れたところまでしか記憶に無いけれど、どうやらここは病院らしい。


体はすっかり楽になっていた。
上半身を起こそうとすると、一條さんが支えてくれた。



「リョウかと思った?」



そう尋ねられ、曖昧に頷いた。
私の右手はまだ彼に握られたままだ。


「春木さんの夢、みてたから……」

「リョウも来たんだよ。昨日」
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