スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

「ヒナちゃん」


一條さんがぎ、と椅子を引き寄せ私の座るベッドへ一歩近付いてきた。


「俺、待てるって言ったけど。やっぱり今答えてほしい」


何の話かすぐにわかった。

気持ちを伝えてくれた日と同じ真剣な瞳の中には、戸惑った顔の私がいる。

二人きりの病室に緊張感が満ちていく。



「俺を選んでくれますか?」


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