スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

涙が出るほど悲しい時、
歩けないほど辛い時。

いつだって寄り添ってくれた。



一條さんにしか見せられない顔があった。
私にだけ見せてくれた一面も、きっとあった。


二人でいると楽しかった。どきどきした。安心した。


彼の隣は
幸せになれる場所だとわかっていた。



でも、

だけど。



「ごめんな、さい……」



繋がった手をそっと離して
絞り出すように言った。
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