スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
街外れにあるその丘に辿り着いた時には、もう日はすっかり落ちていた。
一日中歩き続けた足が重い。
それに三脚と春木さんの撮影道具が入ったバッグも担いでいた私は、頂上に着くのが大分遅れてしまった。
「穴場なんだ。ここ」
やっと追いついた私に、春木さんは言う。
「すごい………」
眼前に広がる夜景に、思わず息を呑んだ。
大きな街がこの丘から一望できる。
街の中心を流れる川に沿うように立てられた無数の街灯。
美しくライトアップされた数々の歴史的建造物。
人々が住む家の灯り。
走る車のライト。
それら全てが相まって、夜の街を何とも幻想的に彩っていた。
「おい」
「……」
「フィルム」
「は!はいっ」
我に返ってショルダーバッグを漁り、予備のフィルムを春木さんに差し出す。
「見たことないだろ?こんな夜景」
カメラにフィルムを入れ換えながら春木さんは満足そうに微笑んだ。
「はい」
私はほうっとため息を吐く。
「この景色を丸ごと日本に持ち帰れるんですから……写真ってすごいですね」
「撮ってみる?自分で」
春木さんは三脚にカメラをセットして私を見た。
「たまには写真の技術も教えてやるよ。」
一日中歩き続けた足が重い。
それに三脚と春木さんの撮影道具が入ったバッグも担いでいた私は、頂上に着くのが大分遅れてしまった。
「穴場なんだ。ここ」
やっと追いついた私に、春木さんは言う。
「すごい………」
眼前に広がる夜景に、思わず息を呑んだ。
大きな街がこの丘から一望できる。
街の中心を流れる川に沿うように立てられた無数の街灯。
美しくライトアップされた数々の歴史的建造物。
人々が住む家の灯り。
走る車のライト。
それら全てが相まって、夜の街を何とも幻想的に彩っていた。
「おい」
「……」
「フィルム」
「は!はいっ」
我に返ってショルダーバッグを漁り、予備のフィルムを春木さんに差し出す。
「見たことないだろ?こんな夜景」
カメラにフィルムを入れ換えながら春木さんは満足そうに微笑んだ。
「はい」
私はほうっとため息を吐く。
「この景色を丸ごと日本に持ち帰れるんですから……写真ってすごいですね」
「撮ってみる?自分で」
春木さんは三脚にカメラをセットして私を見た。
「たまには写真の技術も教えてやるよ。」