スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
side.春木
半月ぶりに足を踏み入れた事務所の中は、随分すっきりして見えた。
ヒナの荷物が丸々無くなったせいだろう。
俺のデスクの上には彼女に割り振ってあった仕事が並べられていた。
一通りチェックすると、どれもきちんと終わっている。
本棚の中身や備品の類も綺麗に整理されていた。
本当に二週間で荷物も仕事も全て片づけて出て行ったのかと驚いたが、彼女のデスクの上にはエクセルで作られたデータ表が乗っていた。
いつも任せていた事務作業のひとつだ。
印刷済みのそれは、中途半端に手をつけたまま残されている。
「……」
これを最後にやりにきて倒れた訳か。
何ともいえない気持ちで表を見つめていると、ポケットの中で携帯電話が震えだした。
発信先として表示されたのは、しばらくぶりに見る名前だった。
「オーナー?」
ヒナの荷物が丸々無くなったせいだろう。
俺のデスクの上には彼女に割り振ってあった仕事が並べられていた。
一通りチェックすると、どれもきちんと終わっている。
本棚の中身や備品の類も綺麗に整理されていた。
本当に二週間で荷物も仕事も全て片づけて出て行ったのかと驚いたが、彼女のデスクの上にはエクセルで作られたデータ表が乗っていた。
いつも任せていた事務作業のひとつだ。
印刷済みのそれは、中途半端に手をつけたまま残されている。
「……」
これを最後にやりにきて倒れた訳か。
何ともいえない気持ちで表を見つめていると、ポケットの中で携帯電話が震えだした。
発信先として表示されたのは、しばらくぶりに見る名前だった。
「オーナー?」