スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
春木さんの珍しい提案により、私は彼の隣でファインダーを覗いた。
「お前は人を撮るのが好きだろ?夜景をバックに人物を撮る時は、スローシンクロで撮るんだ」
「スローシンクロ?」
「そう。シャッタースピードを遅くする『スロー』。それにストロボ撮影との『シンクロ』だ。光の量を調節すれば、夜景も人物も綺麗に写る。俺がそこに立ってやるよ」
春木さんはそう言ってカメラの前に立った。
フレームに切り取られたファインダー越しの街並みを凝視する。
確かにこのまま普通にフラッシュを焚いて撮るだけでは、背景が暗くなり春木さんの顔しか写らなさそうだ。
「夜の撮影ではシャッタースピードを遅くして、光を目いっぱい取り込む。一秒以上露光するんだ」
「絞りは気持ち程度。もっと脇しめろ……そう」
春木さんの声を追いかけ、シャッターを切り続けた。
私たちの他に人は誰もいない。
春木さんと一緒に撮った初めての写真。
この一枚は、その後の私を何度も励ましてくれた。
「お前は人を撮るのが好きだろ?夜景をバックに人物を撮る時は、スローシンクロで撮るんだ」
「スローシンクロ?」
「そう。シャッタースピードを遅くする『スロー』。それにストロボ撮影との『シンクロ』だ。光の量を調節すれば、夜景も人物も綺麗に写る。俺がそこに立ってやるよ」
春木さんはそう言ってカメラの前に立った。
フレームに切り取られたファインダー越しの街並みを凝視する。
確かにこのまま普通にフラッシュを焚いて撮るだけでは、背景が暗くなり春木さんの顔しか写らなさそうだ。
「夜の撮影ではシャッタースピードを遅くして、光を目いっぱい取り込む。一秒以上露光するんだ」
「絞りは気持ち程度。もっと脇しめろ……そう」
春木さんの声を追いかけ、シャッターを切り続けた。
私たちの他に人は誰もいない。
春木さんと一緒に撮った初めての写真。
この一枚は、その後の私を何度も励ましてくれた。