スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
私と春木さんはほとんど同時にスタジオに到着した。

出版社の担当の人に挨拶をして、早速撮影の打ち合わせがスタートする。
私は事務所にファックスで届いた企画書のコピーを春木さんに手渡した。


「事前にお送りした企画書の通り、今回は西澤カレンさんのファンブックの撮影になります。彼女のマタニティフォトを撮っていただきたいんです」

「わかりました。これ一応今日の撮影のイメージ。図にしてきたんで確認してもらっていいすか」


春木さんは現場にいつも持ち込むスケッチブックを広げ、打ち合わせに応じている。

その間に企画書に記載されている西澤さんのプロフィールを何度も読み返した。
< 49 / 333 >

この作品をシェア

pagetop