スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
そう叫ぶやいなや
ヒナは意識を失った。
「危な……!」
地面に頭から倒れ込む寸前で何とか抱きとめた。
だらんと下がった彼女の手からアルバムが滑り落ちる。
「おい?しっかりしろ!」
「大丈夫ですか!」
俺達に気づいたらしい消防隊員が酸素マスクを持ってすっ飛んできて、ヒナの口にあてがった。
「こいつ、たぶん相当煙吸ってて。酸欠だと思います」
「首と腕に火傷もしてますね……すぐ担架持ってきます!」
救急車へ駆けていく男の背中が滲んでいく。
涙腺が緩むのは 煙が目に染みるせいだ。
「ホントどうかしてるよ、お前……」
腕の中にいる彼女に芽生えた、どうしようもない愛しさも
全部、火事で頭が混乱してるせいなんだ。
「ありがとう。」
抱き寄せて耳元で囁いた。
意識が朦朧としているはずのヒナが
微笑んだ、気がした。
ヒナは意識を失った。
「危な……!」
地面に頭から倒れ込む寸前で何とか抱きとめた。
だらんと下がった彼女の手からアルバムが滑り落ちる。
「おい?しっかりしろ!」
「大丈夫ですか!」
俺達に気づいたらしい消防隊員が酸素マスクを持ってすっ飛んできて、ヒナの口にあてがった。
「こいつ、たぶん相当煙吸ってて。酸欠だと思います」
「首と腕に火傷もしてますね……すぐ担架持ってきます!」
救急車へ駆けていく男の背中が滲んでいく。
涙腺が緩むのは 煙が目に染みるせいだ。
「ホントどうかしてるよ、お前……」
腕の中にいる彼女に芽生えた、どうしようもない愛しさも
全部、火事で頭が混乱してるせいなんだ。
「ありがとう。」
抱き寄せて耳元で囁いた。
意識が朦朧としているはずのヒナが
微笑んだ、気がした。