世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-

cloverは少し前から駅前にあるカフェで、幅広い層に人気のカフェ。
でも、新しい若者向けのカフェが近くに出来て、以前よりも人が減り、私としては居心地が良くなったと感じていた。


｢落ち着いた雰囲気のカフェだな｣

｢うん。私、ここ気に入ってるの｣

｢そっか。俺もこれから来てみることにする｣


そんな軽い会話をしていると、愛想の良い店員さんが駆け寄ってきた。


｢いらっしゃいませ、二名様ですか？｣

｢はい｣

｢では、こちらにどうぞ｣


店員さんに案内された席は、日当たりは良いけど少し奥の席だった。

話をするのには丁度良い。

ただ、微笑ましそうに私達のことを見ている店員さんから見るに、私達はカップルだと思われている。
きっとその勘違いから、私達は気を遣われてこの席に案内されたのだろう。

勘違いですよ、と声を大にしたい気持ちを抑え、青柳颯太の方を見た。