世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-
暗闇
「ここだ」
青柳颯太に連れられてやって来た施設は、大きすぎて声も出せないほどだった。
ここで、天馬は造られた。
未だに信じ難いその真実は、不安定に頭の中にあった。
「裏口から入るぞ」
「うん」
青柳颯太の後について行き、小さな裏口に着いた。
「静かにな」
そう言って青柳颯太は、鍵をポケットから取り出して、開けた。
「なんで鍵なんか...」
私がそう言うと、青柳颯太はふっと小さく笑った。
「昔、悪戯でみんなと鍵を盗んだんだよ。返そうとしたんだが、従業員の一人が鍵がなくなったことで自分に責任が及ぶかもしれないと、新しく鍵を作り直してしまってな。ずっと持ったままだったんだ。まさかここで役に立つなんてな」
カチャリと小さな音を立てて、鍵は開いた。
ゆっくりとドアノブを回し、開ける。
「入るぞ」
「うん」
鼓動が早くなる。
天馬と一緒にいた時とは全く違う、不快なものだった。
青柳颯太に連れられてやって来た施設は、大きすぎて声も出せないほどだった。
ここで、天馬は造られた。
未だに信じ難いその真実は、不安定に頭の中にあった。
「裏口から入るぞ」
「うん」
青柳颯太の後について行き、小さな裏口に着いた。
「静かにな」
そう言って青柳颯太は、鍵をポケットから取り出して、開けた。
「なんで鍵なんか...」
私がそう言うと、青柳颯太はふっと小さく笑った。
「昔、悪戯でみんなと鍵を盗んだんだよ。返そうとしたんだが、従業員の一人が鍵がなくなったことで自分に責任が及ぶかもしれないと、新しく鍵を作り直してしまってな。ずっと持ったままだったんだ。まさかここで役に立つなんてな」
カチャリと小さな音を立てて、鍵は開いた。
ゆっくりとドアノブを回し、開ける。
「入るぞ」
「うん」
鼓動が早くなる。
天馬と一緒にいた時とは全く違う、不快なものだった。