世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-
この本はもう何度も読み返しているから、読み終わっている。
だから今すぐ貸すことも出来た。
でも、坂瀬くんは本当に読みたいんだろうか。
適当に私に話を合わせてくれただけじゃないだろうか。
色々と考えるけれど、考えれば考えるほど疑問は増えていく。
どうして坂瀬くんは私に声をかけたのか。
とうして坂瀬くんはこの本に興味を示してくれたのか。
「日和ちゃん」
翡翠が私の元に来る。
「坂瀬くんと何の話してたの?」
翡翠は笑みを浮かべて聞いてくる。
「えぇっと、別に、そんな大したことじゃないよ」
「えー、気になるよ。だって日和ちゃん、すっごく楽しそうだった」
「楽しそう?」
私が?
「うん。それに、坂瀬くんも。二人ともすごく意気投合してるって感じだったよ」
坂瀬くんも...?
「二人とも、話してるところ見たこと無かったけど、気が合うんだね」
翡翠の純粋な笑顔に、私は不思議な気分になる。
坂瀬くんは人気者。
誰にでも笑顔で、聞き上手で。
だからきっと、私の話にも合わせてくれてたんだと思う。
坂瀬くんの方を見た。
もうみんなに囲まれてて、いつもの薄笑いを浮かべて頷いている。
別に、気が合うわけじゃ。
だから今すぐ貸すことも出来た。
でも、坂瀬くんは本当に読みたいんだろうか。
適当に私に話を合わせてくれただけじゃないだろうか。
色々と考えるけれど、考えれば考えるほど疑問は増えていく。
どうして坂瀬くんは私に声をかけたのか。
とうして坂瀬くんはこの本に興味を示してくれたのか。
「日和ちゃん」
翡翠が私の元に来る。
「坂瀬くんと何の話してたの?」
翡翠は笑みを浮かべて聞いてくる。
「えぇっと、別に、そんな大したことじゃないよ」
「えー、気になるよ。だって日和ちゃん、すっごく楽しそうだった」
「楽しそう?」
私が?
「うん。それに、坂瀬くんも。二人ともすごく意気投合してるって感じだったよ」
坂瀬くんも...?
「二人とも、話してるところ見たこと無かったけど、気が合うんだね」
翡翠の純粋な笑顔に、私は不思議な気分になる。
坂瀬くんは人気者。
誰にでも笑顔で、聞き上手で。
だからきっと、私の話にも合わせてくれてたんだと思う。
坂瀬くんの方を見た。
もうみんなに囲まれてて、いつもの薄笑いを浮かべて頷いている。
別に、気が合うわけじゃ。