世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-
青柳颯太は、クラスでもそこまで目立つ方ではない男子生徒。
黒縁の眼鏡、無口、頭がいい。
私の中にある彼の情報と言えばそれくらいだ。
あとは、いつも一人でいることが多いことと、少し目付きが悪い、というイメージ。
坂瀬くんとは真逆な性格に見える。
坂瀬くんはなんとなくふわふわしてる感じで、青柳颯太は鋭いイメージ。
坂瀬くんは人気者でたくさんの人に囲まれてるけど、青柳颯太はいつも一人。
言い方はあまり良くないかもしれないけれど、簡単に言えば、光と影のような、そんな感じ。
そんな真逆な二人の目の前の光景に、私は驚きのあまり釘付けになっていた。
「馬鹿じゃねぇの」
「ごめん、許して、颯太...」
泣き出しそうな、坂瀬くんの声。
「許せる訳ねぇだろ。お前は何も分かってねぇよ」
それに対して、攻撃的な青柳颯太の声。
そして、坂瀬くんが青柳颯太のことを颯太、と呼んだことから分かる、彼らに親交があること。
でも、この関係は良さそうに見えない。
ずっと見ていても、坂瀬くんが青柳颯太に一方的にいじめられているようにしか見えない。
それなのに私の足が動かないのは、好奇心や正義感より、恐怖心が勝っているからだ。
そんな自分が心底嫌だ。
坂瀬くんを助けたいと思う気持ちより先に、自分を守ろうとする自分勝手な考えを持つ、そんな自分が。
そう思っていると、坂瀬くんの口から、始めて反論が零れた。
「ちゃんと、分かってるよ」
黒縁の眼鏡、無口、頭がいい。
私の中にある彼の情報と言えばそれくらいだ。
あとは、いつも一人でいることが多いことと、少し目付きが悪い、というイメージ。
坂瀬くんとは真逆な性格に見える。
坂瀬くんはなんとなくふわふわしてる感じで、青柳颯太は鋭いイメージ。
坂瀬くんは人気者でたくさんの人に囲まれてるけど、青柳颯太はいつも一人。
言い方はあまり良くないかもしれないけれど、簡単に言えば、光と影のような、そんな感じ。
そんな真逆な二人の目の前の光景に、私は驚きのあまり釘付けになっていた。
「馬鹿じゃねぇの」
「ごめん、許して、颯太...」
泣き出しそうな、坂瀬くんの声。
「許せる訳ねぇだろ。お前は何も分かってねぇよ」
それに対して、攻撃的な青柳颯太の声。
そして、坂瀬くんが青柳颯太のことを颯太、と呼んだことから分かる、彼らに親交があること。
でも、この関係は良さそうに見えない。
ずっと見ていても、坂瀬くんが青柳颯太に一方的にいじめられているようにしか見えない。
それなのに私の足が動かないのは、好奇心や正義感より、恐怖心が勝っているからだ。
そんな自分が心底嫌だ。
坂瀬くんを助けたいと思う気持ちより先に、自分を守ろうとする自分勝手な考えを持つ、そんな自分が。
そう思っていると、坂瀬くんの口から、始めて反論が零れた。
「ちゃんと、分かってるよ」