世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-
青柳颯太の目の下には、確かにくまがあった。
明らかに不健康そう。
頬は赤く、息は荒く、いつものイメージと違ってすごく弱く見えた。
だけど、なぜか不自然さは感じなかった。


「...行かなくていいのかよ」


目を閉じたまま、青柳颯太がそう言った。


「起きてたの?」

「天馬のとこ、行かなくていいのかよ」

「無視しないでよ馬鹿」

「いいだろ、俺のことなんて」


青柳颯太は目を開けた。
いつもより開いていなくて、私は視線があっているのか分からないまま、青柳颯太の目を見ていた。


「行けよ、天馬のとこ。好きなんだろ、お前」

「はぁ?アンタが関わるなって言ったんでしょ」


青柳颯太の言葉にムッとして、私は口を尖らせる。


「はは、そうだったな」


そう言って青柳颯太は薄く笑った。
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