世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-
「俺は元々孤児院育ちなんだ。産まれたときからそこにいたから、物心つく頃にはここが自分の家なんだなって思ってた。まぁ、その施設の特徴を強いて言うなら、その施設は無駄にでかかったってことかな。」
青柳颯太は軽く微笑んだまま、話を続ける。
それが笑っていい話には聞こえない私は、少し戸惑いながらも頷いていた。
「そこで産まれたから、次々来る自分より年下の子の兄貴でいなきゃいけない、と思った。年上の人は自分のことで精一杯、って顔して勉強ばっかしてたのを覚えてる。今になりゃ分かるんだけどな。この施設にずっといられる訳じゃねぇから、勉強して、いい就職先見つけて、自分で生きていけるように。でも俺は、そんなことより兄貴にならなきゃって気持ちが強かった。どっかで孤独感でも感じてたんだろうな、今になってみりゃ」
青柳颯太は相変わらず笑っている。
でもそれが自虐的な笑みであることは、容易に見てとれた。
「それから、6歳の時に天馬が来たんだ」
青柳颯太は、優しい笑みになった。
坂瀬くんの存在が、青柳颯太にとってどんな存在なのか。
その笑みだけでも、大切だと言うことは十分に分かった。
青柳颯太は軽く微笑んだまま、話を続ける。
それが笑っていい話には聞こえない私は、少し戸惑いながらも頷いていた。
「そこで産まれたから、次々来る自分より年下の子の兄貴でいなきゃいけない、と思った。年上の人は自分のことで精一杯、って顔して勉強ばっかしてたのを覚えてる。今になりゃ分かるんだけどな。この施設にずっといられる訳じゃねぇから、勉強して、いい就職先見つけて、自分で生きていけるように。でも俺は、そんなことより兄貴にならなきゃって気持ちが強かった。どっかで孤独感でも感じてたんだろうな、今になってみりゃ」
青柳颯太は相変わらず笑っている。
でもそれが自虐的な笑みであることは、容易に見てとれた。
「それから、6歳の時に天馬が来たんだ」
青柳颯太は、優しい笑みになった。
坂瀬くんの存在が、青柳颯太にとってどんな存在なのか。
その笑みだけでも、大切だと言うことは十分に分かった。