王子様と魔法使い
「高坂は魔法が使えんだよ。現実では実現しないことをさせて叶えてくれる。夢を見させてくれ現実でも大丈夫だと笑えるようにしてくれる。」
浩太が高坂の机を優しげに見つめながら穏やかに話す姿に少しだけ心がざわついた。
もしかして、浩太は高坂のことー…?
「俺も魔法を使ってもらったんだよ。だから高坂は俺にとって大事なクラスメイトで大事な魔法使いさんなんだ!」
ニッと俺に向かって笑う。
「安心しろ、恋とはちげーから!」
「なっ…!?そんなんじゃねーよ!ただの興味で聞いただけだし。」
そんな風に浩太にからかわれている間にチャイムがなり先生がきたが、高坂はまだ来なかった。
つーか、結局魔法使いの意味がわかんなかったし。