王子様と魔法使い
なっ…マジで?
この小説家、今めっちゃ注目の的の人だろ?
HNは確か…
“夢魔”
「本名と学歴は今まで隠してたんだが、高校にあがってから本名と現在高校生ということだけ明かしてんだよ。」
「なんで…」
「本人曰く、職業明かしてる方が仕事しやすいんだと。」
なるほど…
じゃあ、魔法使いっていうのは小説家のこと指してんのか……?
「だけど、俺達が魔法使いと呼ぶのは小説家としてだけじゃねーよ?」
携帯を浩太に返すと浩太はまた違うページを開け俺に見せる。
「これは…?」
ホームページ…?My Happy End…
「この学校の教師、生徒、地域の人とかの話を元に高坂は話を作ってそこに投稿してんだ。
必ず最後が幸せになるように、な」
スクロールさせ見ていくと確かに何十本もの小説を書いてる事がわかる。
恋愛、青春、歴史物、探偵物…
「ここに書かれてる小説は全部話を元に書いてんのか?」
「そうだよ。えーと…ほら、これ俺の話を元に作ってもらったんだ。」
内容は…
大切なものを失くしたが何を失くしたのか分からない少年が周りの人の協力のもと失くしたものを探す話だった。