王子様と魔法使い

「俺、この時周りの期待とかそういうプレッシャーがあってそれで友達とかに当たったりしてさぁ。結構荒れてたんだ。」


浩太は照れくさそうに自分の過去を話してくれた。

「それで放課後一人でいた高坂にも当たって…そしたら“プレッシャー感じるならやめたら?周りの期待に潰されるならそんなのそこまでってことでしょ”って言われて、もう爆発して」




笑って話してるけど、多分その時は必死だったんだろうなぁって思った。

いつもふざけてばっかのやつだけどこいつもなにか抱えてんだよな…



「今まで隠してた気持ち全部ぶつけたらなんかすっきりしてさ。話し終えた頃…

“私も小説家だから、周りの期待とかプレッシャーとかあるよ。でも、それで自分のやりたい事ができなくなるのは嫌。私に出来るやり方で人を笑顔にしたい。それが小説なの。だから私は書き続ける”

って言ってる高坂が羨ましくて輝いて俺もそんな風に周りのこと気にしないで堂々とした人間になりたいって思ったんだ。」


「そうだったのか……」

「おぅ。そしたら俺の気持ち小説にしてくれたんだよ、それがこれ。」


だから、みんな高坂のこと慕ってたんだな…



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