王子様と魔法使い
〜その後の2人〜
「ろ………起きろ!」
「ん〜…?あれぇ、ゆきくん?」
「たくっ、また小説書きながら寝てたな…」
「あははっ、そうみたい〜」
んー…よく寝たなぁ。
「ゆきくん、仕事はもう終わり?」
「ん、さっき終わったよ。はい、コーヒー」
「ありがとう〜」
「あんまり無理すんなよ、夢兎先生。」
「うん。でもさっき懐かしい夢見たよ、ゆきくんが王子様の頃の夢。」
「は?」
「間違えた。学生の時、高崎先生に惚れてた時の頃ー」
「なっ…!今すぐ忘れろ!」
「やなこった!」
いーっとしぷいっと顔を背ける。
「はぁ…そういえば、なんで俺のこと好きだったんだ?」
「ん?なにが?」
「夢、返事くれた時言ったろ?“魔法使いはずっと王子様が好きでした”って。でも、転校してきてから夢と話したことなかったよな?」
「あー…あー…それ聞く?聞くの?私は、いいんだけど、ゆきくんが後悔するよ?」
「は?なんで?」
だって、私が好きになったのは…
「王子様が惚れたお姫様を見る時の優しい表情を好きになってお姫様と話すきっかけ作るために何度も職員室にいく理由を決めて会いに行く懸命さに惚れたから。」
「…………なっ!///」
「魔法使いはいつだって王子様とお姫様の二人を好きになるから力を貸すんだ。だから、王子様に惚れたなんて合っちゃいけないはずだったんだけどなぁ…」
どこで間違えて私を選んだのやら。
「うるせー、魔法使いに恋する王子がいてもいいだろうが」
「自分で王子とか言っちゃうんだ」
「おーまーえーなぁ!」