王子様と魔法使い


「大丈夫、誰にも言わないから。それに別に後ろめたく思う必要もないよ。恋をした。それが教師だった、既婚者だった。それだけのことなんだから。」



「でも、この恋は実らない。」

辛そうに苦しそうに顔を歪ませる王子様。


「実らない。実らない恋はいらない?」

「それは…」

「人を好きになるっていいことだと思うよ。それにね、実らなくてもいつか恋をした気持ちを楽しい思い出にできるよ。」


「君に俺の気持ちなんて分からない」


悲しそうに俯き自分の心を否定しようとする王子様。








あー…もう、なんで今日なのかなぁ…





「明日プリント提出なんだけどなぁ…」


「……は?馬鹿にしてんの?」


いきなり話題が変わったことで王子様は何を勘違いしたのか私に怒りをぶつける。

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