王子様と魔法使い
それを無視し言葉綴る。
「私、“魔法使い”なの。みんなそう私を呼ぶ。なんでか知ってる?」
「知らないよ、俺が転校してきた時にはもうそう呼ばれてたし興味なかったから。」
興味なかったから、か…。
今のはちょっと気付かないふりするのは無理なぐらい傷ついたかもー…。
それでも、表に出さず笑いかける。
「私、ハッピーエンドが好きなの。そうじゃなきゃ心がもやもやするから。」
「なに、もしかしてキューピットにでもなるつもり?キューピットだから魔法使いってこと?」
「私にしか出来ない魔法で、ハッピーエンドにする。だから、魔法使い。」
怪訝そうに私の言葉の意味を理解しようとする王子。