君の世界
奏人の世界
私の教室に行くまでに
必ずある教室の前を通る。
そこにいるのは幼馴染
クラスメイトと楽しそうに会話をしている。
「奏人(かなと)君、これ作ったんだけど良かったら食べて」
ありがとうと微笑む彼に今しがた手作りであろうクッキーを渡した女子が少し顔を赤らめる。
「えー俺達にはねーのかよー!」
「残念でしたーもう残ってませーん!」
賑わうそこにはいつも彼がいる。
彼は私と違い人気者だ。
キーン、コーン、カーン、コーン
授業の予鈴がなり私は急いで次の教室へと向かった。