Mission.N
「わざとそうやってるの?

俺に構ってもらいたいがために」

社長はニヤリと口角をあげると、茶色の瞳を細めた。

「そ、そんな訳ないじゃないですか…」

首を横に振りたくても、社長の人差し指があごをさわっているため、どうすることもできない。

「じゃあ、一体何があったって言うんだ?」

「そ、それは…」

うつむきたくても、うつむくことができない。

「強情なヤツだな」

あたしを見つめてくる茶色の瞳に、どうすることもできない。

まるでとらわれた気分だ。

いつまでも口をわろうとしないあたしに、
「1つだけ選択してやる」

社長が言った。
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