Mission.N
ある意味、年齢に関わることなんだから1年増やすな。

そう心の中で毒づいたあたしに、
「あなたが最後の砦なのよ!」

福山さんがおおげさに言ったかと思ったら、あたしの手を握った。

「はっ、はい?」

あたしが最後の砦って、何のこっちゃと言う話である。

「その実力と美貌から“鉄の女王”と周りに評されている藍田さんに社長の秘書を任せることしかできないの!

秘書課の人員は私を入れて5名!

ある意味では、あなたが最後の希望なの!」

「は、はあ…」

そこまで言うかよ…。

って言うか、最後の希望って…。

どうでもいい話だが、福山さんの担当は山下専務である。

「ホント、お願い!」

福山さんは両手をあわせると、あたしを拝んだ。

神様でもなければ仏様でもありませんが…。
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