Mission.N
「2人の処分は解雇と言う形で、先ほど処理をしました」

社長はそこで話を終えると、紅茶が入っているカップに口をつけた。

あたしたち3人の間に沈黙が流れる。

先に破ったのは、
「――妹は、どうなってしまうのですか?」

兄からだった。

社長はカップをテーブルのうえに置いた。

「あなたから電話がくる前に、妹から話を全て聞きました」

兄の話に社長は耳を傾けた。

「妹は、悪くありません。

悪いのは指示を出していた私の方です。

妹は私の指示に従って、産業スパイを行っていただけなんです。

だから、警察に逮捕されるのは…」

「お兄ちゃん、悪いのは行動したあたしの方よ」

兄の話をさえぎるように、あたしは言った。
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