Mission.N
「あっ…」
社長が取り出したそのリップクリームには見覚えがあった。
どこかで落としたか、失くしたかと思っていた。
「それ…」
思わずリップクリームを指差したあたしに、
「やっぱり、君のだったか。
専務室に落ちてたんだ」
社長はそう言った後、あたしにリップクリームを渡した。
「君が俺の秘書を務める1ヶ月前、山下専務と福山の産業スパイの話で週刊誌の記者が会社に訪ねてきたことがあったんだ」
話を切り出した社長に、
「そんな前から事実が発覚していたんですか?」
兄は驚いて聞き返した。
「と言っても、疑惑程度だったんだ。
その時は自分で真相を確かめるから記事は載せないで欲しいと言って記者に金を渡して追い払った」
社長は答えた。
社長が取り出したそのリップクリームには見覚えがあった。
どこかで落としたか、失くしたかと思っていた。
「それ…」
思わずリップクリームを指差したあたしに、
「やっぱり、君のだったか。
専務室に落ちてたんだ」
社長はそう言った後、あたしにリップクリームを渡した。
「君が俺の秘書を務める1ヶ月前、山下専務と福山の産業スパイの話で週刊誌の記者が会社に訪ねてきたことがあったんだ」
話を切り出した社長に、
「そんな前から事実が発覚していたんですか?」
兄は驚いて聞き返した。
「と言っても、疑惑程度だったんだ。
その時は自分で真相を確かめるから記事は載せないで欲しいと言って記者に金を渡して追い払った」
社長は答えた。